滞在3回めの朝食は、ちょっと遠出して、ベトナム各地の料理が食べられるお店「ニャー・ハン・ゴン」へ。ニャー・ハン、とは「食堂」、ゴン、は「おいしい」という意味だ(笑)。フレンチヴィラを改装して造ったレストランで、ちょうど中庭にあたる部分にオープンエアの座席があっておしゃれな雰囲気だ。ここではガイドブックを見て気になっていた、バインセオとフォー・サオ・ジオンを注文。バインセオは、言うなればベトナム風お好み焼きで、米粉を練って作った生地と、具の野菜をライスペーパーで包んで食べるもの。そしてフォー・サオ・ジオンは、揚げフォーの餡かけ。どちらもおいしかったのだが、朝食としては少々重すぎた。これがその後の食事に影響することになってしまった…。

相変わらずバイクが多いです 天秤に商品を乗せて売る人 いかにもベトナムらしい風景 路上で野菜や肉などを売る人たち
朝食はフレンチヴィラを改装して造ったレストラン「ニャー・ハン・ゴン」で
バインセオ(48000ドン・約192円) こんな風にライスペーパーで包んでいただきます フォー・サオ・ジオン(95000ドン・約380円)

 一昨日は市内を走る鉄道の西側のエリアを観光したので、今日はホアンキエム湖周辺を、これまた徒歩で観光する予定。まずはホアンキエム湖上にある、玉山祠を目指して歩く。相変わらず賑やかなクラクションとバイクの波の中を歩くこと20分ほど、ようやくホアンキエム湖が見えてきた。まず視界に入ったのが亀の塔。これは「1428年に黎朝の始祖であるレ・ロイが、湖に住む亀から宝剣を授かり、その剣で明軍を撃退し、中国の支配から解放された。その後再び亀が現れ、宝剣を返すよう啓示し、湖の中の小島でレ・ロイが亀に剣を返した」という伝説に基づいて、湖上の小島に建てられたものだそうだ。

 そこから更に歩くこと10分弱で玉山祠に到着。この祠はもともとは13世紀に創設されたのだが、現在の建物は1865年に建立されたものだそうだ。儒学者グエン・ヴァン・ズーによる書、豊かさを意味する「禄」と幸福を意味する「福」の2文字が書かれた門柱のある門をくぐり、更に二つの門をくぐると棲旭橋に出た。そのアーチ状の棲旭橋を渡り、正殿へ。正殿内には13世紀に元の進撃を撃退した英雄、チャン・フン・ダオと学問・武・医の神の三聖人が祀られている。正殿の隣には体長2mほどの大きな亀の剥製が展示されているが、これが宝剣伝説の亀ではないか、と言われているのだそうだ。

今日はホアンキエム湖方面を目指して歩きます ホアンキエム湖の亀の塔 夜にはライトアップされるのだそうです
シクロのおじさん こういう客引きをするシクロには乗ってはいけません 玉山祠へ続く棲旭橋
豊かさを意味する「禄」と幸福を意味する「福」の2文字が書かれた門柱
棲旭橋を渡ります 正殿
1968年にホアンキエム湖で捕獲された体長2mの亀の剥製
正殿の前で気持ちよさそうに眠っていた猫

 続いて旧市街にある、19世紀後半に建てられた伝統的な中国風の木造家屋、旧家保存館(マーマイの家)へ。間口が狭いため、最初は気付かずに通り過ぎてしまった。屋内は当時の生活の様子をそのまま残している、とのことだが、調理をしている女性の姿もあった(実際にここで生活している?)。中庭を囲むようにして造った建物はなんとも趣がある。夜にはここで民族音楽のコンサートが開かれるとのことで、興味があったのだが、今夜は水上人形劇を見に行くことになっていたので断念。是非とも聴いてみたかった。

旧家保存館(マーマイの家)  2階へ続く階段
内部では普通に生活しているようで、調理中の女性の姿が見られました
2階へ上がってきました
将棋のようなもの(実際に街で対局しているおじさま方を見かけました)

 さて、ここまではほとんど一本道のようなもので、とても分かりやすい場所にあったのだが、ここから先は旧市街の入り組んだ街中を歩かなければならない。頼りになるのは手元にある「まっぷる」の地図。一昨日、この地図がかなり正確だということが分かったので、地図を信じて先へ進んでいく。すると、思った通りの場所に次の目的地であるハノイ大教会(セント・ジョゼフ教会)はあった。…が、閉まっていた。が〜〜ん…。仕方ないので明日また出直すことにして、少々早目ではあるが昼食をとると決めていたお店へ向かうことにした。

ハノイ大教会 閉まっていたので明日また出直すことにしました

 朝のボリューミーな食事がまだお腹に残ってはいたが、予定通りお昼はブン・チャーの有名店、「ダック・キム」へ。麺料理ならそれほど胃もたれすることはないだろう。2階席に案内され、注文はブン・チャーのみ(揚げ春巻を付けるか、と聞かれる)にした。ブン・チャーとは米粉の麺を生野菜と共に、豚肉の入ったつけ汁に浸していただく料理で、北部ならではの料理のひとつ。ほとんど待つことなく山盛りの生野菜と麺、つけ汁が運ばれてきた。まずはお肉を味見。…絶品!! 生野菜には少々不安があったので野菜は控えめにして、ブンをつけ汁につけて食べるとこれまた美味。さほどお腹が空いていなかったのだが、しっかりと食べてしまった。

昼食は「ダック・キム」で ブン・チャーの専門店です ブン・チャー(55000ドン・約220円) 生野菜がたっぷり
ブン(米粉の麺)を生野菜と共につけ汁に浸していただきます このつけ汁に入っている肉がとーってもおいしかった!

 今日最後の観光はホアロー収容所。この収容所は1896年にフランス政府によって造られた監獄だ。1954年のディエンビエンフーの戦いでフランス軍が敗れた後も、ベトナム戦争時のベトナム人民軍の捕虜の収容所としても使われたのだそうだ。1993年には半分以上が取り壊され、現在では残った部分が歴史的遺物として保存され、博物館となっている。館内では、実際に使われていた独房や集団房に、足かせをはめられた人形が並んでいる様子(当時の様子を再現したもの)、収容者たちの持ち物、処刑に使われたギロチン台などを見ることができる。館内は薄暗く、ここに収容されていた人々の声が聴こえてきそうな陰鬱な空間。中庭には当時行われていた拷問の様子を描いたレリーフが展示されていて、当時の凄惨な収容所の様子を垣間見て、ぞっとした。

19世紀末にフランスによって造られたホアロー収容所 収容所を取り囲む高い塀の上には電流を流していたと思われる電線が… 収容所の内部 こちらは集団房
実際に使われていた足かせ 多い時には2000人もの人が収容されていたのだそうです
こちらは独房 収容所の様子を描いたレリーフ
拷問の様子を描いたレリーフ 処刑に使われたギロチン台

 思っていたよりも早く今日の予定を終えてしまったが、一昨日、昨日とよく動き回っていたので、水上人形劇のお迎えの時間までホテルで休憩。水上人形劇のお迎えは16時45分。夕食付きのコースでひとり990000ドンまたは4000円。これも昨日のハロン湾クルーズを申し込んだのと同じ会社に事前に申し込んでおいた。

 16時40分頃ロビーに下りていくと、昨日と同じガイドさんが待っていた。車に乗り込み、ホアンキエム湖近くにある水上人形劇の劇場へ向かう。会場に着くと、開演時刻が迫っていたため、ガイドさんに急かされて席に着く。間もなく人形劇が始まった。この水上人形劇は1000年も前から伝わっているもので、もともとは収穫を祝う祭りなどの際に、屋外の水辺を使って上演していたのだそうだ。内容は「祭り太鼓」「龍の踊り」「闘牛」「農業の仕事」など、農民たちの生活や伝説などをもとにした短い劇が合計11演目。民族楽器による伴奏つきの歌に合わせて、水上で人形たちが生き生きと動いている様子は圧巻だ。人形は、薄い幕の向こう側にいる、半身は水に浸かった状態の操り手によって動いているそうだ。そうはわかっていても、どうやってこのように人形を操ることができるのか不思議で、舞台裏を覗いてみたくなった。全部で1時間ほどの公演だったが、あっという間に感じた。

夕方からは水上人形劇の鑑賞です(写真・ビデオ撮影は別途料金が必要です) 水上人形劇の動画です 画像をクリックするとスタートします
ロビーに展示されている人形
夕食のレストランに行き途中に通りがかった市劇場 パリのオペラ座を模して造られたのだそうです

 終演後にガイドさんと合流し、車で夕食をとるレストラン「オウ・ラック・ハウス」へ向かう。ガイドブックにも必ず載っているお店なので楽しみだ。店内に入ると空調の効いた屋内の席に案内され、ガイドさんは約1時間半後に迎えに来ます、と言って車へ戻って行った。ここではベトナム料理のコースで、日本語を勉強中だというスタッフが一生懸命に応対してくれて感じがよかった。お料理の方もどれもおいしくて満足。

夕食は「オウ・ラック・ハウス」で
まずはビア・ハノイ(45000ドン・約180円) ベトナム料理のコース まずは海老と椎茸の入ったとろみのあるスープ
生春巻 青パパイヤのサラダ 牛肉のX.O炒め
豆腐と茄子とトマトの煮込み あさりの酒蒸し デザートはフルーツ マンゴーがめちゃめちゃおいしかった!
最後はお茶(蓮茶ではなかったと思う…)



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