今日は楽しみにしていたハロン湾クルーズ。こちらは日本で事前に申し込んでおいた(ひとり2090000ドン・または8500円)。しかし、朝起きてカーテンを開けると、黒くて重い雲が立ち込め、今にもスコールが来そうな空模様。ガイドブックによれば、ハロン湾クルーズのベストシーズンはまさに今の時期で、晴天率が高い、とあった。晴れ女の私が、スコールでクルーズに出られないことになるのでは?と一抹の不安を抱えつつ、朝食をとりに行く。

 今日は8時15分にはロビーにガイドさんが来ることになっているので、外に朝食を取りに行くことは諦め、ホテル内のレストラン「ラ・ブラッセリ―」へ。ホテルのレストランでもできるだけベトナムらしいものを、と思い、まずはその場で作ってくれるフォーを注文。その他にはあまり心惹かれるものがなかった。フォーも昨日絶品フォーを食べてしまったのでかなり残念な感じ。これでひとり当たり約1700円はあんまりだ…。

今日は朝早い出発のため、ホテルのレストラン「ラ・ブラッセリ-」で フォーなどの麺類はその場で調理してくれます こちらは卵料理のコーナー
フォーにしてみましたが… あまり心惹かれるメニューがありませんでした パッションフルーツはおいしい!
コーヒーとパッションフルーツのジュース

 8時15分少し前にロビーに下りると、既にガイドさんが待っていた。同行するのは私たち以外に男性2名のみ。大型バスでぞろぞろ移動だと思っていたのでちょっとラッキー(私は団体行動が苦手です)。外は本当に今すぐにでも降り出しそうな嫌な感じの天気。しかしガイドさん曰く、「ハロン湾の方は晴れているそうですので大丈夫ですよ」とのこと! よかった!! 

 ここからハロン湾までは3時間半程度の道のり。タクシーと違って料金をぼったくられたり、他の場所に連れて行かれる心配はないので、のんびりと窓の外の風景を見ながらのドライブだ。少し郊外へ出ると、道路脇でパンを売っている人がたくさんいるのが目に入った。ガイドさんによると、田舎に帰る人がお土産にパンを買っていくのだそうだ(ベトナムはかつてフランスの植民地だった影響でフランスパンがおいしい)。路上のパン屋さんにも驚いたが、それ以上に驚く光景を目にしてしまった。なんと、ケージにぎゅうぎゅう詰めにされた犬を運ぶバイクだ。そのぎゅうぎゅうぶりも、縦・横にぎゅうぎゅう詰め状態なのだ。これはどう見ても愛玩用の犬ではない。あとで調べてみたところ、ベトナムでは犬食文化があるとのこと。ほんの一瞬の出来事だったが、犬たちの切ない瞳が忘れられない…。

 やがてポツポツと雨が落ちてきた。…と思ったらあっという間に土砂降りに。まさにバケツをひっくり返したような大雨だ。路上のパン屋さんは透明のビニールシートでパンを覆い、それでも商売を続けている。そしてバイクの人たちも合羽を着て平然と道路を走っている。みんな、慣れたものだ。…それにしても…車で3時間半離れたところとはいえ、本当に晴れているんだろうか? とますます不安になってきた。

 1時間半ほど走ったところでお土産物屋さんで休憩。ガイドさんの話だと、ハノイ市内で買うより安いとのこと。途中の休憩はてっきりトイレ休憩だけだと思い、ほとんどお金を持ってきていなかったので、手づくりの刺繍を1枚だけ買うことにした。可愛い刺繍のバッグもあったのだが、ちょっとサイズが小さかったので見送った。

途中で土産物屋さんで休憩 刺繍をしている様子を目の前で見ることができます

 ホテルから約3時間半かけてようやく船着場に到着。しかし、空はどんよりと曇り、遠くで雷の音さえしている。しばらく行列の後ろで待っていたが、一向に船が出る様子がない。ガイドさんの話だと、場合によっては船着場の近くのレストランで食事をしてからクルーズに出ることになるかもしれない、という。なんだかよくわからないまま3〜40分待っていたが、どうやらスコールを警戒してすべての船が出港を見合わせているらしい。やがてガイドさんが「時間がかかりそうなので、車に戻っていてください」と言った。更に待つこと20分ほど。…もしかして、ここまで来てクルーズは中止? 悲観的になっていたところにガイドさんが小走りで車に戻ってきた。「船が出ます!」 …やった〜!!

 結局予定よりも1時間近く遅れて船は出港。乗船してすぐに昼食が運ばれてきた。飲み物代は別、とのことでせっかくなのでベトナム産のワインを飲んでみたい、と思っていたところ、同行の男性たちもワインを頼みたい、と言っていたので、4人でボトルをシェアすることにした(その方がちょっとだけお得になる)。ランチはシーフード。どれもシンプルな味付けだが、船上でいただく新鮮なシーフードは格別だった。

船着場に到着しました
船内の様子 同じツアーに参加した人とワインをシェアしました(ボトルで$24) クルーズしながらシーフードのランチです(お皿はすべて4人分です)
まずはボイルした海老
蟹肉入りの練り物 白身魚のフライ あさりの酒蒸し
揚げ春巻 イカと野菜の炒めもの 空芯菜炒め
旦那は追加で333ビールを

 食事が終わる頃には青空が広がっていた。さっそくデッキに出てハロン湾の風景を楽しむことにする。ハロンとは「降りてきた龍」を意味している。「外敵の侵略に苦しめられていたこの地に、龍の親子が降り立って敵を打ち破り、宝玉を吹き出した。それが岩となり、外敵を防ぐことができるようになった」という言い伝えに由来しているのだそうだ。湾には大小2000の奇岩が並び、その様子から「海の桂林」とも呼ばれている。桂林には行ったことがないが、確かに写真で見た風景と似ている。日差しは強いが心地よい風が吹く中、飽くことなく湾の風景を眺めていた。

食事を終えてデッキから世界自然遺産に登録されているハロン湾の景観を堪能します 水上生活をする人たちの家
ゴリラの形の岩
雄鶏と雌鶏の形の岩 角度によってキスしているように見えます
漁船発見 心配されたスコールもなく晴天に恵まれ、快適なクルーズでした

 1時間半ほどで船はダウゴー島に到着し、ティエン・クン洞へ向かう。ティエン・クンとは「天空」という意味だそうだ。船着場から階段を上って鍾乳洞の入り口へ。普段はそうでもないのだろうが、なにせ一斉に船が出港したので階段は大混雑だ。ようやく鍾乳洞に辿り着くと、洞内は様々な色にライトアップされていて、なんとも幻想的(少々手を加えすぎ、という感が無きにしも非ずだが…)。中でも自然光が差し込んだ「天国の門」の美しさは圧巻だった。私たちは「汚れてもよい服装で」という注意書きを見て、深く考えずにクロックスを履いていったのだが、足元が少々滑って危なかった。洞内はアップダウンもあるので、スニーカーを持ってくるべきだった、と後悔。

途中で下船してティエン・クン洞へ 内部は様々な色にライトアップされています 中央よりやや上の部分がイルカの形をした鍾乳石
「天国の門」と呼ばれる天然の入り口
写真だと分かりにくいのですが…象の形の鍾乳石です

 鍾乳洞を見た後は再び船に乗って船着場へ。帰りはなんだかあっという間だった気がする。そして車に乗り込み、ハノイ市内へ戻る。途中の休憩所では蓮茶を1パック買った。車の中でガイドさんが、「ホテルに戻るのが遅くなるので、もしよければ夕食を食べるお店まで送りますよ」と声をかけてくれた。しかし、どこへ行くかはっきり決めていなかったので、そのように答えると、お薦めのお店がある、とのこと。ホテルからは徒歩圏内で、フランス料理の店だという。フランスパンがおいしい、と事前に聞いていたので、フレンチも悪くないな、と思ったのだが…私たちの恰好は「汚れてもよい服装」である…(ふたりしてTシャツにハーフパンツ、足元はクロックス)。入店拒否されないかと一抹の不安を感じつつも、ガイドさんも承知の上で言っているのだろう、とそのお店に連れて行ってもらうことにした。するとガイドさんはお店に電話して予約までしてくれた。

 「オウ・デリース」というお店の前で車は止まった。ガイドさんが予約してある旨を告げると、お店のスタッフは普通にテーブルに案内してくれた。席についてから周りを見回すと、そんなに改まった雰囲気ではないが、やはり私たちの服装はラフすぎるな、と感じた。お店のスタッフと他のお客さんに心の中で詫びながら、お昼に飲んだワインが軽くて飲みやすかったので(軽過ぎる、ともいう)、同じものをボトルで注文。お料理はコースメニューの肉料理と魚料理をそれぞれ頼んだ。ワインは$19、コースメニューは$25ととってもお値打ち。パンは聞いていた通りおいしかったが、お料理に関してはまあ、普通…?という感じ。とはいえ、やはりこの手のお店には、最低限、男性は襟付きシャツ、女性もそれなりの服装で行くべきだと思う…。

夕食はガイドさんお薦めのフランス料理店「オウ・デリース」で
ベトナムのワイン(ボトルで$19 フランスパンがおいしいです 前菜のハムの盛り合わせ
かぼちゃのスープ 私は魚料理を さっぱり味でおいしいです 旦那は肉料理 バターの風味が効いたソースが美味
デザートはチョコレートムース
このコースでひとり$25です



BACK   NEXT