ラインクルーズ、そしてケルンへ大冒険!

 朝起きると外はいい天気。絶好のクルーズ日和だ。今日は午前中にラインクルーズ、そして午後はケルンまで足をのばす予定なのだ。7時過ぎにはホテルを出発し、予定通りの電車に乗ることができた。

ホテルのレストランで朝食を食べる時間がないので、昨夜のうちに買っておいたパンで済ませます 7:25発の電車に乗ります さすがにガラガラ

 ラインクルーズに関して事前に調べたところ、リューデスハイムから乗船する人がとても多い、ということがわかっていたので、私は始発のマインツから乗ることにしていた。マインツ中央駅で電車を降り、船着場まではタクシーを利用することにしたのはいいが、行き先を告げようにも「船着場」をドイツ語でなんと言うのかわからない。なんとかラインクルーズの船に乗りたい、ということを伝え、無事、予定していた8時45分発の船に余裕で乗れる時間に船着場に到着。ラインクルーズはジャーマンレイルパスが利用できるので切符売り場に並ぶ必要がなく、さっさと船に乗ることができる。混み合う前に、デッキの右側(ローレライ側)にテーブルと椅子を確保しておこうという作戦は大成功! 案の定リューデスハイムからたくさんの人が乗ってきて、船上はラッシュの電車並みの混雑に!! 私は座席をキープしたまま、ガイドブック片手に人ごみをすり抜けて次々と見えてくる古城の写真を撮りまくっていた。

いよいよ乗船です マインツの街並み
ヴィースバーデン エルトヴィレ
この通り、快晴です
リューデスハイム付近には、ぶどう畑が広がっています リューデスハイム 川沿いを電車が並行して走っています
ブレムザー城 12世紀にマインツ大司教の本拠地として建てられたお城で、現在はワイン博物館として使われています ねずみ塔 13世紀に建てられた、ライン川を行き交う船の税関 塔に幽閉された大司教がねずみに食い殺されたという伝説があるそうです
エーレンフェルス城 13世紀にマインツ大司教の命で建てられた教区の拠点として、大司教の居城になっていました 現在は廃墟になっています
ラインシュタイン城 900年ごろに完成した大司教の税関所 その後廃墟になっていたのを19世紀初めにプロイセン公が再建し、現在は元オペラ歌手の住まい(!)になっているそうです
ライヒェンシュタイン城 11世紀に完成したといわれ、盗賊の巣窟となってしまったために破壊され、廃墟となってしまったそうです 現在はレストランになっています
ゾーンエック城 隣のライヒェンシュタイン城が守護城だったのが、ここも盗賊の巣窟となり、13世紀に破壊されてしまったそうです シュタールエック城 17世紀にフランス軍によって破壊され、その後再建されて現在はユースホステルとして使われています 左手前の白い建物がプファルツ城、右奥がグーテンフェルス城
プファルツ城 ねずみ塔と同じく、通行税を取り立てるために中州に建築されたもので、現在は資料館になっています グーテンフェルス城 1200年ごろの建築で、14世紀にはバイエルンのルートヴィヒ国王がしばしば滞在したそうです。現在は古城ホテルとして営業しています
シェーンブルク城 ヴィクトル・ユゴーが「最も美しい廃墟」と絶賛した城。17世紀にフランス軍に破壊され、その後再建されて現在は古城ホテルになっています

 ラインクルーズの見どころとして有名なのはやはりローレライの岩だろう。ローレライの伝説とは、「バッハラッハに住んでいた美女ローレライは、多くの男性から求愛を受けていた。しかし、彼女が愛していたのは城のそばに住む若い騎士だった。それを嫉妬した聖職者が彼女を魔女として裁判にかけてしまった。修道院で暮らすことになったローレライは修道院へ向う崖の途中からライン川を眺めていた。するとそこに船に乗った若い騎士が崖に近付いてくるのが見えた。思わず両手を広げて駆け寄ったローレライは崖から転落し、川の中へと消えてしまった」という悲しい物語である。そのローレライの岩に近づいてくるとデッキの右側は大混雑。椅子を確保しておいて本当によかった…。

ローレライの岩 逆光のため、きれいに写りませんでした ネコ城 1371年に建築された城で、初代城主のカッツェンエルンボーゲン伯爵の名にちなんでこの名前で呼ばれているそうです ラインフェルス城 かつてのライン川最大級の城で、18世紀にフランス軍によってほとんど破壊されてしまい、現在は残った部分が古城ホテルになっています

 ザンクト・ゴアールで船を降り、ここからはザンクト・ゴアール駅まで歩き、電車でケルンに向かう予定だった。しかし船着場から駅までどう行ったらいいのか情報がなく、しかも乗り換え時間があまりないため、結構焦っていたのだが、建物の陰でわからなかっただけで、ものの2~3分で駅に着いた。そして予定通り、12時37分発の電車に乗ることができた。途中、コブレンツで乗り換え、ベートーヴェンの生まれた街、ボンを通過し(時間があったら帰りに途中下車するつもりだった)、ザンクト・ゴアール駅から約1時間半後、ケルンに到着。ちょっと無理な日程かな、と思っていたが、無事に辿り着くことができて一安心。

ザンクト・ゴアールで船を降りました ラインフェルス城
予定通り、12:37発の電車に乗ることができました 電車の窓から見えたねずみ城 正式名はトゥルンブルク城。ねこ城から狙われる位置に見えるためにこの名前で呼ばれるようになったんだそうです
マルクスブルク城 城内の礼拝堂にあるフレスコ画の守護聖人マルクスの名にちなんでこの名がついたそうです コブレンツ中央駅で乗り換えます
途中、ベートーベンの生まれた街、ボンを通過しました ケルン中央駅に到着 

 既に14時を過ぎていたので、観光の前にまずは腹ごしらえ。ケルン大聖堂の近くの「フリュー・アム・ドム」というビアレストランに入った。ここでは協定によって聖堂から50km以内の醸造所でしか生産を認めていないというケルシュがビールが飲めるのだ。もちろんそのケルシュと、この地方の代表的な料理、ライニッシャーザウアーブラーテンという赤ワインと酢に漬け込んだ牛肉料理を注文した。まず運ばれてきたのはケルシュ。200mlと量が少ないので当然ながらおかわりしてしまった。お料理も肉が柔らかく、ソースとよく馴染んでいておいしかった。

まずは腹ごしらえ! 大聖堂のすぐそばにある「フリュー・アム・ドム」で
ケルシュ(€1.55・約253円)  ライニッシャーザウアーブラーテン(€13.75・約2246円)

 昼食後はいよいよ観光。ケルンは長い歴史のある街であり、それは紀元前1世紀に溯るのだという。ローマ時代にはこの地に住むキリスト教徒の中心地であり、その後もライン川の水運を利用して繁栄した。また、教会の街、とも言っていいくらい多くの教会があり、第2次世界大戦で焼失してしまった教会も復興し、その数は250にも及ぶという。その中でもケルン大聖堂はケルンのシンボル的な存在である。

 ケルン大聖堂の歴史も大変長く、既に西暦313年頃の文献に司教の名前が残っているのだそうだ。大聖堂の原型となったのは、500年頃に八角形の受洗聖堂が設けられ、40数年後にはより大きな教会の建築がはじまったのだそうだ。しかしこの教会は9世紀半ばに火災による損傷を受け、その後、870年に聖職者の祈りによって聖別(神とのつながりを回復すること)された聖堂が現れ、その後19世紀まで新築、改装を繰り返し、現在のゴシック様式の大聖堂になったという。教会内部は1300年代から1500年代に造られた美しいステンドグラスで彩られており、「町の守護聖人シュテファン・ロホナーの祭壇」や「装飾聖母マリア」、「聖クリストフォリス」等の美術品を見ることができるが、圧巻はやはり主祭壇の「第三賢者の聖箱」だ。これは1190年から1220年にかけて当時最も著名な金細工師たちによって造られた聖遺物を収めるための箱で、1000個の宝石や真珠、300以上の高価な順宝石とカメオがはめ込まれている。

1248年の着工から600年以上、1880年に完成したケルン大聖堂は世界遺産に登録されています 広角レンズ使用のため…塔が歪んでます
高さ157mの塔
町の守護聖人シュテファン・ロホナーの祭壇 1300年ごろに取り付けられた王の窓のある聖堂内陣の上部
1507年から1509年にかけて設けられたステンドグラス 聖ペテロの人生の情景を描いたもの
バイエルン王から寄贈されたステンドグラス
聖霊降臨祭の奇跡を描いたもの
第三賢者の聖箱  装飾聖母マリア 旅人の守護人聖クリストフォルス
聖堂内陣周歩廊の床モザイク 写真では見えませんが、中央には旧大聖堂が描かれています 修復中のクラーレン祭壇

 次に訪れたのは大聖堂のすぐ隣にある「ローマ・ゲルマン博物館」。ここには1~5世紀にかけてのローマ時代の遺跡や美術品が展示されている。一番の見どころはここで発掘された、2世紀に造られたディオニソス・モザイクというローマ時代の住居を飾っていたものだそうだ。その他の展示作品もじっくり見たかったのだが、閉館時間になってしまったため、全部見ることができなかったのが残念。

ローマ・ゲルマン博物館へ 2世紀頃に造られたディオニソス・モザイクというローマ時代の住居の一部を飾っていたもの
閉館時間になってしまいました…

 さすがにハードスケジュールで疲れてしまったので帰りはフランクフルトまでの直通列車で帰ることにした。線路がライン川に沿っているため、行きに船から見たお城やローレライの岩も見ることができるが、なにしろ船とはスピードが全然違うので写真を撮るにも一苦労だった。ケルンからフランクフルトまでは約1時間。あっという間だった。

帰りはケルンからフランクフルトまで直行のICEで ライン川に沿って走るので、対岸のお城などを見ることができます ローレライの岩
またまた逆光…

 早朝から夕方まで激しく動き回ったため、食事をしに行く元気がなく、帰りがけに駅で夕食を調達してきた。明日はハイデルベルクまでのショートトリップなので翌日に備えてこの日も早々とベッドに入った。

帰りがけに駅で買ってきたパンとサラダが夕食です ラディッシュとクリームチーズのサンドイッチ おいしい~♪ 「NORD SEE」のサラダ ドレッシングはあとからかけてくれます
ケストリッツアー




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