ブルージュ市内観光

 昨日とほぼ同じ時刻の電車に乗ってブルージュに行くため、5時半に目覚ましをセットした。しかし…体が重くて起き上がれない。しかし、今回の旅行も残すところあと2日しかない。気力を振り絞ってベッドから降り、シャワーを浴びて、まだすっきりしない頭のまま、最上階のレストランへ行こうとエレベーターに乗った。その時ハプニングは起きた。最上階だから、と一番上にあるボタンを押したところ、警報音が鳴り出した。…えっ?!! 慌ててよく見ると…私が押したボタンはなんと、非常ボタンだったのだ! げげげ〜〜〜(滝汗) 数秒後には「どうしました?」とインターフォン越しに緊迫した男性の声。めちゃくちゃ動揺していた私、やっとの思いで「ごめんなさい、間違って押してしまいました!」と答えたのだが…恥ずかしかった…。お陰ですっかり目は覚めたけれど、それにしても…ヒルトン・ブリュッセルのエレベーターの非常ボタン、普通すぎます!! 色を変えるとか、他のボタンともうちょっと離すとか、周りを囲むとか、特別なボタンだとわかるようにしてくださいっ(懇願)!! これから泊まる方は充分ご注意を…。

ホテルのレストランの朝食

 メトロでブリュッセル南駅まで行き、ここからはICでブルージュへ向かう。ブルージュまではおよそ50分ほどの道のりだ。例によって2階席を陣取り、座るなり爆睡。ブルージュに着く直前に目が覚めた。すると…外はなんと大雨が降っているではないか! 電車を降りると風も強くて、雨は横なぐりの状態。いくら「水の都」とはいえ、これはあんまりだ…。駅のコンコースでしばし呆然と立ち尽くす。いっそ引き返して明日もう一度出直そうか、とさえ思ったが、しばらくすると雨が小降りになってきたので予定通りブルージュ観光に繰り出すことにした。

今日はメトロでブリュッセル南駅へ(南駅の方が乗り換えなしで行けるため) ブルージュ行きの電車に乗ります
当然二階席に座ります(笑) 50分ほどでブルージュに到着 しかし…暴風雨なんです! しばらく駅で雨宿りしていたら小降りになったので予定通り街に出ました

 駅を出るとまもなく運河が見えてきた。まず向かったのは、世界遺産にも登録されているベギン会修道院。この修道院は1245年にフランドル伯夫人によって設立されたもので、現在はベギン会ではなく、15世紀の修道服を身につけたベネディクト派の修道女たちが暮らしているのだそうだ。

駅を出て少し歩くとさっそくこんな風景が見れます
ベギン会修道院の礼拝堂
主祭壇 修道女たちの住まい
博物館として公開されている部屋の中 キッチン
中庭 寝室
小さなテーブルが収納されているキャビネット
このあたりも世界遺産に登録されています

 ベギン会修道院をあとにして、カトレーヌ通りを市街地へ向かって歩く。相変わらず傘をさすほどではない小雨が降り続いている。メムリンク美術館、聖母教会の前を通り過ぎ、ひたすらマルクト広場を目指す。今にして思うと、なぜここに立ち寄らずに通過してしまったのか悔やまれてならない(しかも写真すら撮っていない!)。特に聖母教会にはミケランジェロの聖母子像があったのに! もしもまたブルージュを訪れることができたなら、その時は必ず立ち寄りたいと思う。

ブルージュの街
メムリンク美術館
小雨の中、猫がお散歩中 しばし戯れました(笑)
橋の上から聖母教会の塔が見えました
鐘楼が見えてきました 鐘楼のカリヨンの動画です。画像をクリックするとスタートします(725KB)

 マルクト広場でまず最初に向かったのは、世界遺産に登録されている鐘楼。13世紀から15世紀にかけて造られた高さ88mのこの塔の最上部は八角形になっており、47個のカリヨンが組み込まれている。カリヨンは15分おきにメロディーを奏でるが、その音色の美しさはヨーロッパでもよく知られているそうだ。

 さっそく鐘楼の上にのぼってみることにした。窓口でEUR5.0(約720円)の料金を支払い、最上部まで366段の石段を登っていく。15分おきにカリヨンが鳴るので、カリヨンの仕組みも目の前で見ることができるし、鐘楼の上から眺めるブルージュの街も美しかった。これで天気がよければ最高だったのだが…。

世界遺産に登録されている鐘楼は13〜15世紀に建てられたもの 鐘楼の中に上ります
カリヨン カリヨンは巨大なオルゴールなんですね…
回転するシリンダーの動画です。画像をクリックするとスタートします(725KB) 頭上並ぶカリヨン こうしている間にも15分おきに鐘が鳴ります 鐘楼の上から見下ろしたブルージュの街
天気が良くないのが残念 州庁舎
こちらは市庁舎 15世紀前半に完成した、ベルギー最古の庁舎だそうです 公文書館は1537年に完成

 次に行こうと思っていた聖血礼拝堂が午後は14時まで見学できないので、その間にフランドル地方の伝統料理が食べられるという運河沿いのレストラン「ハイデフッヘルスハウス」で昼食。このところ肉料理ばかりだったので魚料理を注文した。お店のスタッフはとても丁寧な応対をしてくれて、私が店を出る頃には昼の営業の終了時刻を過ぎていたのだが、「急がなくていいですよ」とゆっくり食事をさせてくれた。

「ハイデフッヘルスハウス」で昼食
テーブルの上の一輪挿し ブルッグス ブロンド(EUR3.5・約505円)
白身魚をバターで焼いたもの(EUR18.5・約2668円)
食後のコーヒー(EUR3.0・約433円)

 再びマルクト広場へ向かい、聖血礼拝堂へ。12世紀に造られた聖バシリウス礼拝堂と納骨堂、19世紀に改築された礼拝堂と博物館の2層からなる建物で、2階部分の礼拝堂には12世紀に十字軍に参加したフランドル伯がコンスタンチノープルから持ち帰った「聖血の遺物」が納められている。「聖血の遺物」は毎週金曜日にのみ開帳されるのだが、今日はまさにその金曜日。私が礼拝堂を訪れた時には開帳のための儀式が執り行われていた。果たして異教徒である私がのこのこ入って行っていいものか少々躊躇われたが、受付でEUR1.5(約216円)の料金を支払い、礼拝堂へ入ってみた。儀式が終わり、「聖血の遺物」の置かれている祭壇に人々が移動し始めた。さすがにそこまで近寄って行くことは遠慮し、その様子を遠目に見ていた。

聖血礼拝堂には12世紀に十字軍に参加したフランドル伯がコンスタンチノープルから持ち帰った「聖血の遺物」が納められています
一瞬ミイラかと思いましたが…彫刻でした 金曜日には「聖血の遺物」が開帳されます ちょうどその儀式の最中でした 儀式が終わるのを待って遠目に「聖血の遺物」を見ました
「イルマ」というレースのお店

 聖血礼拝堂を後にして、ブルージュで絶対に買おうと決めていたレースのお店「イルマ」へ。店内には様々な価格帯のレースが陳列されていて、お店の人が商品について丁寧に説明してくれた。せっかくなので少々値は張るが、きちんと保証書のついたボビンレースのハンカチと額に入った花の模様のレースを自分用に購入した。

 天気がよければこの後は船に乗ってダム(ブルージュの7kmほど北にある街)まで行ってみるつもりだったのだが、相変わらず小雨が降ったりやんだりのはっきりしない天気なので、市内にある風車を見て帰ることにした。市街地からは少々遠いが、途中の街並みを見ながら歩くのも楽しいだろう、と交通機関を使わずに歩いてみることにした。風車はホーボーケンで見たものもそうだったが、オランダのものと比べると華奢な造り。聖ヤンハイス風車の方は内部が見学できるらしいが、あまりにも人がいなかったので、中には入らなかった。
さすがに帰り道は疲れたので、バスの1回券EUR1.0(約144円)を買って駅までバスに乗って行った。

風車のある川まで歩きます 十字の門 ボンヌ・シエール風車 もともとは1888年に東フランドルのオルスヌに建てられたものをブルージュに移したんだそうです
聖ヤンハイス風車 1770年に造られた風車 聖セバスティアンの射手ギルド
英国修道院 帰りは駅までバスに乗ります
バスの1回券はEUR1.0(約144円) ブルージュ駅の切符売り場
ブリュッセルに戻ります

 17時57分発の電車に乗り、ブルージュには19時頃戻ってきた。一度ホテルに戻ってからグランプラスまで歩き、「ラ ローズ ブランシュ」で夕食。ここでもやはり、チコリのグラタンはなかったので、サラダ・ド・クルヴェット(小エビとトマトのサラダ)と白ブーダンと黒ブーダン (黒ブーダンは豚の血の腸詰め)を注文。グランプラスに面したお店とあってそれなりの値段だったが、料理のお味はGood!特に黒ブーダンはくせになりそうな味だった。

グランプラスにある「ラ ローズ ブランシュ」で夕食 オルヴァル(EUR3.6・約519円)
サラダ・ド・クルヴェット 小エビとトマトのサラダです(EUR13.5・約1947円) 白ブーダンと黒ブーダン 黒ブーダンは豚の血の腸詰めなんですが…くせがあるかと思いきや、くせになる味でした(EUR15.5・約2235円) コーヒーに添えてあるのはゴディバのチョコ(EUR2.5・約361円)

 長かったベネルクス旅行も明日が事実上の最終日だ。昨日、今日と早起きが続いたので、明日に備えて早めにベッドに入った。




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